神戸グル ナーナク ダルバール (シク教)

近所の神々(宗教施設)

【施設の説明】
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神戸市中央区野崎通の住宅街に突如現れる見たことのない旗がはためく建物。中からはあまり馴染みのないメロディと明らかに日本語ではない歌。入口は固く閉じられ関係者以外を寄せ付けさせないチカラを感じさせます。そのドアに吸い込まれるように入っていくのは、ターバンにヒゲを蓄えたオトコやショールで髪を隠し華やかなサリーなどに身を包んだインド人達。
ここが1966年に建てられた、日本では唯一単独の建物のシク教寺院グル・ナーナクダルバール。
1階部分は食堂と調理場とトイレ。2階部分は礼拝堂となっていて中央に天蓋と祭壇があり「グラント・サーヒブ」という聖典が安置されています。その左右には経典が映し出されるスクリーンがあり、祭壇の右側にはハーモニウムとタブラの演奏者が並び聖歌が歌われます。
毎週日曜日の昼に礼拝が行われ、礼拝後にはパルシャードという練ったお菓子が提供されその後は1階に降りてランガルと言われるお振る舞いの食事が提供されます。

【お祈りの仕方】
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厳格な作法はあるかもしれませんが、みなさんバラバラのようです。彼らにとっては神聖な場所なのでくれぐれも慎重に敬意を払ってください。
貴重品以外は1階の荷物置き場において、男性はバンダナなど女性はスカーフなどで髪を隠し、携帯電話など音の出るものは電源を切って、お賽銭(小銭程度)はすぐ出せるように準備します。くれぐれもお酒タバコなどを持ち込まないように。
階段を登り2階に上がって、ドアから礼拝堂に入ったら一礼。まずは祭壇の中央の延長線上に進み、祭壇に一礼し祭壇の前まで歩み出て祭壇の手前で一礼。しゃがんで膝をつきお賽銭を祭壇前のカゴに入れたら両膝をついたまま頭をゆっくり深く下げます。終わったらそのまま後ろに下がって男性は正面から見て左側へ女性は右側へ別れます。
最後までほとんど座ったままです。正座する必要はありません。
聖歌賛歌が歌われますが、スクリーンでローマ字読みにも表示されますので、一緒に歌える場合は歌った方が一体感を味わえます。
最後の方に何度か立ち上がったりまた座ったり頭を下げたりの動作がありますので、一緒の動作をします。
礼拝が終わるとパルシャード(お菓子)が配られますが、その際は必ず両手で受け取り必ず残さずいただきます。
これで礼拝は終わりで、三々五々1階に降りてランガルをいただきます。ランガルのいただき方については下記の付帯情報を参考にしてください。
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【宗教の説明】
16世紀のはじめにインドの北西パンジャブ地方で開祖ナーナクにより生まれた宗教。シク教のシクはシークとも呼ばれインド古代語のサンスクリット語でシシュヤからきた言葉で「弟子」を意味します。開祖ナーナクの弟子10人のことです。聖典はグラント・サーヒブ。総本山はゴールデン・テンプル(黄金寺院)。
もともとヒンドゥー教の一派でイスラム教の影響を強く受け、階級差別、カースト制度、人種差別、苦行を否定する一神教。
世界に1000万人信者がおり、大半はパンジャブ地方に暮らしていますが世界中にシク教コミュニティがあります。
インドでは一般的にターバンを巻くのは高貴な人だけですが、シク教では人は全て高貴であるとして、全てのシク教徒の男性はターバンを巻き髪の毛は切らずヒゲも剃りません。女性も髪を切らないため三つ編みなどにしている場合が多いそうです。インド人というとヒゲにターバンというイメージですが、実はシク教の人が多く、インド人に占める割合からすると多くはありません。

【付帯情報】
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神戸グル ナーナク ダルバールでのランガルのいただき方は、2階で礼拝を終えた後に1階に降ります。食堂奥の調理場前のカウンターに並び、セルフサービスでいただきます。まずはカウンターの一番左側からステンレスのトレーとスプーンを手に取り列に並び、各お料理ごとに担当される方がカレーを注いでくれたりご飯を取り分けてくれたりします。それぞれ軽く一礼すると良いでしょう。全ていただいたら席を探します。シク教では食事をとても重要視します。男女、年齢、宗教、人種など関係なく同じものを同じ場所でいただきます。信者の方に混じって一緒にいただきましょう。残してはいけません。声をかけたりコミュニケーションすることにチャレンジしてみましょう。
食事を平らげたら食器を調理場に返却します。その後も交流できればその場を楽しみましょう。

このシク教の総本山ゴールデン・テンプルで振る舞われるランガルを題材にした映画「聖者の食卓」が2014年日本でも公開されました。なんと毎日10万食を無料で振る舞われる様子をドキュメンタリー映画として制作されました。
聖者の食卓
http://www.uplink.co.jp/seijya/

東京の茗荷谷にもシク教礼拝施設があります。グル ナーナク ダルバール 東京です。ここは神戸のような単独建築物ではなく、マンションの地下にあります。礼拝が行われランガルが振る舞われる大きな流れは変わりませんが、細かいところは違う所が多々見受けられます。興味があれば東京に行った際に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
東京シク教-min
そのグル ナーナク ダルバール 東京にはオフィシャルサイトがあります。日本語でも説明がありますので参考になります。(サイトが開くと音楽が流れますので注意)
http://sikhjapanese.blogspot.jp/p/blog-page.html

【旅人目線】
神戸の中では一番異国情緒を感じられる場所で、宗教、音楽、料理と文化の違いを五感で感じられる希少な場所です。ツアーはここを中心に組み立てています。
礼拝には信者の方が少なくとも30人、多い時は100人を超えますので、旅で感じるアウェー感を体感できます。
音楽もエキゾチックなメロディ、アルファ波が出まくりの優しいサウンドでついついウトウトしてしまうことも。
お振る舞いのランガルは辛さの少ない子供でも食べられる優しいベジタリアン。カレーとダル(豆スープ)とチャパティ(小麦粉の平たいパン)とライス。アチャール(漬物)にパコラ(野菜の唐揚げ)とヨーグルトがだいたい普段のセットで提供されています。
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【施設概要】
施設名称:神戸グル ナーナク ダルバール
設立:1966年
住所:神戸市中央区野崎通2-7
連絡先:
地図:

コメント

  1. […]   Ans.→3 シク教。国内で独立した建物のシク教寺院は神戸が唯一。東京はマンションの地下に存在します。見学は可能ですが、大人数での場合は予約が必要。 […]

  2. […] 1966 神戸グルナーナクダルバール(シク教)現在の場所に建立 1970 […]

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